本城雅人さんは初めて読ませていただきました。7年前の女児誘拐殺人事件にもう一人真犯人がいたら・・というキャッチに惹かれて手に取ったのですが、途中からぐんぐん引きこまれていく自分を感じました。期待をはるかに超えた作品でした。大当たりです!
期待を上回る!おススメの1冊です。
本城さんが、19年目にして初めて、元産経新聞の記者というご自分の経験をフルに生かして書いた新聞記者を主人公にした作品だそうです。厳しい現場の緊迫感がビシビシ伝わってくきます。現場の記者は真実だけを追い求めていればいいわけではありません。大きな組織にはつきものの、出世争い、派閥、同じ仕事をしていながら邪魔をしようとするやつ。そしてライバル社との駆け引き。全てが臨場感たっぷりに伝わってきます。
ひとつだけいただけなかったのは「ジャーナル」というキーワード。きっと本城さんの記者時代に出会った強烈な記憶とともにある言葉なんだと思いますが、いまどき「ジャーナル」はないんじゃないの~。
ともかく、主人公の関口に感情移入してしまい、彼を応援し、彼をサポートする後輩たちを心の中で叱咤激励している自分には驚いてしまいました。
結局、関口を不遇に追いやった7年前の真実はついに表に出ることになり、関口の苦労は報われるのですが、その結果、関口が手にしたもの・・・共感するな~。正しい人間が必ず報われるとは限らない、正当な評価をされない実力者は、どことなくハードボイルドでかっこいいです。
新聞記者の熱い心に触れてみてください。
テレビ東京でドラマ化されました。